退職代行の流れは?
依頼からの流れと注意点を専門家が解説
利用者が年々増えている「退職代行サービス」。
退職代行サービスを使って会社を辞めたいと考えている方も多いでしょう。
ということで「退職代行サービス」について、
- 退職代行の流れを詳しく知りたい
- 退職代行で自分がやることは?
- 退職代行の注意点
を中心に専門家が詳しく解説していきます。
今、退職代行を検討している方にピッタリの内容になっていますので、ぜひ見ていってくださいね。
1. 退職代行サービスとは
退職代行の流れに触れる前に、まず「退職代行サービス」について簡単にチェックしておきましょう。
1-1. 退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、会社を辞めたい人に代わって会社へ退職の意思表示を伝えるサービスのことです。退職交渉のプロが退職できない方に代わって会社側と交渉し、素早くスムーズな退職ができるようにしてくれます。
一般的に会社を辞める際は、自分の上長へ話を通して内諾をもらった後に「退職願」を会社に提出し、3か月〜半年程度の時間を掛けながら退職することになります。
上司やさらにその上司と何回も面談を行いながら何種類も書類を会社へ提出し、後任への引き継ぎもしなければいけない、といった具合でかなりハードな上に、会社側からの引き留めなどの障害もあったりしますが、退職代行サービスを使えば、会社とやりとりすることなく2週間程度(最短即日退職)の期間で驚くほどあっさりと退職できます。
1-2. 退職代行を使う場合
では、どんな時に退職代行を使うのでしょう?
退職サポートへご依頼いただく方の傾向を見ていると、次の4つのケースが多くなっています。
- 上司に退職の話を切り出せない
- 辞めたいと伝えても辞めさせてもらえない
- 入社したが聞いていた話と違う
- パワハラなどハラスメントで苦しい
これら4つのケースを順番に見ていきましょう。
退職する時には直属の上司に退職したい旨を伝えるのが一般的ですが、「退職したい」と切り出すことが難しくて、ずっと退職の意思を伝えられないでいる…といった人も多いのではないでしょうか。
こういった時は退職代行を利用することで、あっさり退職することができます。
上司に退職の意思を伝えることができても、取り合ってもらえなかったり、半年以上先延ばしにされたりして、なかなか辞めさせてもらえないケースもよくあります。
こういった時でも、第三者である退職代行会社の担当者から連絡することであっけないほど簡単に円満退職になることも多いです。
ブラックな会社に多いケースですが、入社前に聞いていた仕事内容や雇用条件が入社してみると全く違ったので辞めたい、という方もいます。
こういった場合、退職代行を利用する際に条件として「可能なら即日ですぐに辞めたい」という希望が多くなってきます。
職場にハラスメントが横行していて、とても退職するなどとは言い出せない状況で、こちらもブラック企業に多いケースです。
心や体に負担が掛かっている場合がとても多いので、すぐに退職代行を利用して現状から脱出するべきです。退職代行の真骨頂ともいえるケースでしょう。
1-3. 退職代行がやってくれること
次は、退職代行がやってくれることについて見てみることにしましょう。
「退職代行=会社へ退職連絡をすること」とお考えの方も多いのですが、退職代行の役割は会社への退職連絡だけではありません。
具体的にやってくれることを挙げてみると、
退職意思の伝達、退職日の確定、退職日までの取り扱い、退職届の取り扱い、有給消化の交渉、最後の給与支給の確認、会社からの貸与物の取り扱い、会社へ置いている私物の取り扱い、離職票などの必要書類の依頼、本人や家族への連絡の禁止
など調整や交渉事がたくさんあります。
さらに他にも状況によっては「社宅の明け渡し、過去の未払い賃金の支給交渉、ボーナスの支給交渉、退職金の支給交渉」なども含まれてきます。
このように「退職」に関わること全般について、退職代行の担当者が依頼者の代わりとなって会社側とやり取りをしてくれます。
2. 退職代行の流れ
ここまで「退職代行サービス」についておさらいしてきましたが、ここから本題の「退職代行の流れ」についてご紹介していきましょう。
2-1. 退職代行会社を選ぶ
退職代行を使って会社を辞める際にまずやることは「退職代行の会社選び」です。
退職代行選びのポイントを簡単にまとめてみましょう。
1)退職代行は3種類ある
退職代行の業務を行う上で資格や許認可は一切ないため多様な事業者が退職代行サービスへ参入していますが、退職代行サービスを分類すると、大きく次の3種類に分けることができます。
- 一般法人が運営する退職代行
- 労働組合が運営する退職代行
- 弁護士が運営する退職代行
そして、それぞれの運営者で法律上「できること・できないこと」が決まっているので、一覧表で確認しましょう。
退職代行 3つの種類
業務内容 | 一般法人 | 労働組合 | 弁護士 |
---|---|---|---|
退職意思の伝達 | ◯ | ◎ | ◎ |
退職条件の交渉 | × | ◎ | ◎ |
有給取得交渉 | × | ◎ | ◎ |
給与支払い交渉 | × | ◎ | ◎ |
離職票などの請求 | × | ◎ | ◎ |
裁判時の対応 | × | × | ◎ |
料金相場 | 1〜2.5万円1〜2.5万円 | 2.2〜3万円2.2〜3万円 | 5〜10万円5〜10万円 |
退職代行サービスは「一般法人」「労働組合」「弁護士」と大きく3つの運営者が存在します。
この中で、依頼者の代わりとなって退職代行を実行する「法的根拠」があるのは、労働組合と弁護士のみです。
一般法人が運営する退職代行サービスは、依頼者の代わりとなる法的根拠がないため非常にグレーな存在。
一般法人が実務的にできるのは「退職の意思を会社に伝えること」のみで、その他の退職に関する交渉や調整はすべてできません(万一やったら違法)。一般法人の退職代行は「不完全」なので利用を避けるようにしましょう。
2)退職代行選びのポイント
退職代行を行う法的根拠やコスパを踏まえ、退職代行選びのポイントをご紹介します。
日本では働く人たちは憲法や労働関係法によって手厚く保護されており、退職に関連して訴えられるリスクは考えなくてもよい状況です。
労働組合と弁護士の退職代行の違いは、訴訟になったときの対応の有無ですが、訴訟リスクを限りなくゼロに近い状況で料金の高い弁護士に依頼することは “オーバースペック” といえます。
働いた分の給料はもらった上でできるだけ早く会社を辞めたいのであれば、労働組合運営の退職代行で十分です。
退職代行会社の中には「労働組合運営」と謳っていながら、実際には一般法人が運営している場合があります。
労働組合は比較的簡単に設立することができますが、法律上、労働組合と認められるためには「企業経営とは完全に独立した運営」が求められます。
例えば、退職代行の運営は労働組合になっていても、料金の振込先が一般法人といったケースは、労働組合の運営とは認められません。
こういった “名ばかり労働組合” は一般法人の退職代行の扱いですので、依頼するのは控えましょう。
労働組合が運営する退職代行では「団体交渉権」を使って会社と交渉する関係で、退職が完了するまでの間、退職代行を運営する労働組合に加入する必要があります。
その際「組合加入費」として追加料金を請求する退職代行会社もありますので注意しましょう。
組合加入費は2,000円〜3,000円のところが多いようですが、退職代行料金にプラスで掛かってきますので組合加入費も加えた合計金額で比較するようにしてください。
ちなみに私ども退職代行『退職サポート』は労働組合運営として最安級の 22,000円(税込)で、組合加入費を含め追加費用は一切ありません。
退職代行選びで気をつけたいポイントをまとめると以下のようになります。
- 労働組合運営の退職代行がおすすめ
- 名ばかり労働組合には要注意
- 追加料金を含めた合計金額で比較する
これらのポイントを基準に退職代行業者を選べば失敗はないはずです。
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2-2. 退職代行の依頼から退職完了まで
退職代行業者が決まれば、いよいよ退職代行を退職代行の依頼です。
依頼から退職完了までをステップごとに見ていきましょう。参考までに私ども「退職サポート」の流れを記載します。
まず退職代行サービスのホームページから無料相談します。
最近のトレンドはLINEでの無料相談。自分の好きなタイミングで相談でき、素早くタイムリーなやり取りができるので相談・質問には最適です。
無料相談では、しっかりと自分の状況や要望を伝えるようにしましょう。要望を伝える際は「これもあれも」にならないよう何を優先するのかをできるだけ絞って伝えるのがポイントです。
無料相談後、サービス内容や料金、注意事項の案内があります。内容を確認したら正式に退職代行を依頼します。
退職代行に失敗は許されませんので、自分の要望がちゃんと伝わっているのか、追加料金はないのか、などをしっかり確認して、注意事項にも目を通すようにしましょう。
退職代行を正式に依頼すると代金の支払いとなります。
銀行振込が一般的ですが、クレジットカード払いに対応している代行会社もあります。
労働組合運営の代行会社で銀行振込にする場合は、振込先が労働組合名になっているかを確認しましょう。振込先が一般法人となっている場合は「名ばかり労働組合」運営となりますので、利用は避ける方が良いでしょう。
代金を支払ったら、ヒアリングシートを記入します。
私ども退職サポートの場合は、ホームページ上のフォームからヒアリングシートを入力していただきます。
基本的に指定されたフォームを埋めるだけでヒアリングは完了しますが、担当者がヒアリングシートの内容を確認し、質問や確認事項があればお聞きします。
お客様のご要望を踏まえ、退職代行の実行日(会社へ連絡する日)を決定します。
退職代行の実行日は、通常、次回の出社日になることが多いのですが、お申し込み日当日での連絡を希望される場合もあります。
いよいよ退職代行の実行です。
ヒアリングシートの内容をもとに担当者が会社へ連絡し、あなたの代わりに退職の意思を伝えてくれます。
即日退職の希望や貸与物・必要書類などの取り扱いについて、ヒアリングでの意向に沿って対応してくれます。あわせて本人や家族への連絡禁止についても伝えます。
ほとんどの場合、この時点で退職が確定します。
担当者から退職確定の連絡が入り、あわせて退職日や貸与物・必要書類などの取り扱い、最終月の給与の締日や支給日などについて報告があります。
今後の進め方についても説明がありますので、担当者の指示通りに退職届などの必要書類を会社へ郵送しましょう。
会社側の退職手続きが終わると、離職票・健康保険資格喪失証明書・源泉徴収票などの希望書類が指定した住所へ送られてきます。受け取ったら、内容に間違いがないか確認しましょう。
なお、1か月くらい経っても書類が届かないという場合は、担当者に相談すると会社へその旨を伝えてくれます。退職サポートの場合、退職代行の実行日から90日間アフターケアーします。
希望した必要書類が手元に揃ったら退職は完了です!
3. よくあるご質問
最後に退職代行サービスについてお客様からよくいただくご質問をご紹介します。
- 本当に会社の人と会わないで退職できますか?
- はい、会社の人と会うことなく退職できます。会社との調整はすべてこちらで行うので電話でやり取りする必要もありません。
- 退職代行を使うと会社から訴えられませんか?
- 退職する自由は法律で認められた働く人の権利です。会社側が訴えても従業員側に余程の落ち度でもない限り確実に負けるため、訴えられることはありません。
- 退職前に引き継ぎをしなければいけませんか?
- 引き継ぎは退職に際して絶対にしなければならない“義務”ではありません。その意味では引き継ぎをしないで退職しても問題はありませんが、引き継ぎをしてから辞めて欲しいとこだわる会社が多いのも事実です。会社側が態度を硬化させないよう簡単でも良いので引き継ぎマニュアルを作成して郵送すると良いでしょう。
- 会社から連絡は来ないですか?
- ご本人への直接連絡はしないよう会社側へ念押してお伝えさせていただきますが、まれに連絡されてしまう場合もございます。会社側とのやり取りはすべて退職サポートで代行させていただきますので、万一、会社から連絡があっても出る必要はございません。
- 退職代行は違法ですか?
- 弁護士や労働組合が運営する退職代行は適法で違法ではありません。弁護士は弁護士法で、労働組合は憲法・労働組合法でそれぞれ退職代行に関する交渉が保障されていますので安心してご利用ください。
- 契約社員は退職代行を使えますか?
- はい。契約社員、正社員、派遣社員、パート・アルバイトの方はいずれも退職代行をご利用になれます。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「退職代行の流れ」について詳しくご紹介しました。
退職代行はどこに依頼するかで大きく満足度も変わってきます。ただ単に「退職させればいい」というところではなく、自分の状況を理解し共感してくれる代行会社を選ぶようにすると良いでしょう。
退職代行の流れについては、私ども退職サポートの流れを中心に見てきましたが、他の退職代行会社でも大きくは変わらないはずです。
今回の退職代行の流れを参考にしていただき、上手に会社を辞めましょう!
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