退職代行は違法ですか?

- 退職代行は違法ですか?
- 退職代行というサービスそのものは違法でなく、退職代行サービスを利用すること自体も違法ではありません。ただし、運営者によっては「非弁行為」として違法となるリスクがあるので注意が必要です。
「退職代行は違法ですか?」——退職代行を検討する方から、最もよくいただく質問のひとつです。
結論を先にお伝えすると、退職代行というサービスそのものは違法ではなく、退職代行サービスを利用すること自体も違法ではありません。
しかし、運営者の種類とサービス内容によっては「非弁行為」として違法になるリスクがあり、2025〜2026年には大手退職代行「モームリ」の運営会社が弁護士法違反の疑いで家宅捜索・代表者逮捕という事件が起きています。
そこでこのページでは、退職代行の合法・違法を分ける仕組みを法律の条文や具体例を用いてわかりやすく解説します。
退職代行を「使うこと」は違法ではない

日本の法律では、労働者が自由に退職する権利が保障されています。
期間の定めのない雇用契約(正社員・アルバイト・パート)では、労働者は2週間前に退職の意思を通知すれば契約を解除できる(民法第627条)と規定されていますし、期間の定めがある雇用契約(契約社員)でも、一定の条件下(やむを得ない事由がある場合)で退職が可能(民法第628条)です。
【民法 第627条 第1項】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
【出典:e-Gov】
その為、退職代行サービスを利用した従業員が罰せられることはありません。退職代行を使ったことを理由に罪に問われたり、損害賠償を請求されることはありませんので、ご安心ください。
退職に際して退職の意思を会社に伝えることになりますが、自分で直接伝えなければならないという法律上の規定はありません。
友人・家族・弁護士など第三者を通じて伝えても法律上有効です。退職代行は「第三者を通じた意思伝達」をするサービスであり、利用者が違法行為に問われることはありません。
退職代行が「違法になる」場合

「退職代行は合法」と一括りに言われることがありますが、正確に言うと「どの業者が・何をするか」によって合法にも違法にもなります。
具体的には、弁護士法第72条(非弁行為の禁止)に違反するかどうか、がポイントとなります。
【弁護士法 第72条】非弁行為
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
【出典:e-Gov】
この法律は、簡単に言えば「他の法律で認められていない限り、弁護士でない者が、お金をもらって法律事務(交渉・代理など)を行ってはならない」という規定で、一般的には「非弁行為」と呼ばれています。
この弁護士法第72条に違反すると「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」という刑事罰の対象で、違法となります。
退職代行の種類と適法性
退職代行は運営者によって「民間企業」「労働組合」「弁護士」の3種類に分かれ、法律上できることの範囲が異なります。
| 運営者 | 退職意思 の通知 |
退職条件 の交渉 |
給与請求 | 料金相場 |
|---|---|---|---|---|
| 民間企業 | ◯ | × 違法 |
× 違法 |
1.5〜3万円 |
| 労働組合 | ◎ | ◎ | ◎ | 2.2〜3万円 |
| 弁護士 | ◎ | ◎ | ◎ | 5.5〜10万円 |
1. 民間企業の退職代行
株式会社・合同会社などの民間企業が運営する退職代行は、弁護士法上、依頼者の代わりに会社との交渉を行う権限がありません。できるのは「退職の意思を伝えること(使者としての通知)」のみです。
民間企業の退職代行が会社と有給消化や退職日など退職条件について「交渉」を行えば、弁護士法第72条違反(非弁行為)となります。
よく「弁護士監修」「労働組合と提携」と表記している民間企業の退職代行を見かけますが、弁護士・労働組合との監修や提携を受けても法的な権限は発生しませんので、交渉を行えば違法となります。
2. 労働組合の退職代行
労働組合は、日本国憲法第28条および労働組合法第6条により、組合員の代わりに会社と交渉する権限(団体交渉権)を持っています。
退職代行を依頼する際に労働組合に加入して組合員となれば、労働組合は組合員のために会社と交渉できる法的根拠が生まれ、弁護士法第72条の適用を受けません。このため、労働組合の退職代行は合法的に会社との退職交渉が可能です。
3. 弁護士の退職代行
弁護士は弁護士法に基づき、法律事務全般(交渉・代理・訴訟)を行うことができます。
退職時の未払い残業代請求・損害賠償問題・訴訟に発展しうる複雑なケースであっても対応ができるため、弁護士の退職代行は最も広い権限を持っています。ただし、料金相場は5.5〜10万円と高額になります。
違法になるのは「民間企業」だけ
前章の表を見てわかる通り、退職代行で違法性を含むのは「民間企業の退職代行」のみとなります。
民間企業の退職代行は「使者としての通知」の範囲内で業務を行なっていれば合法ですが、退職代行の当事者として考えると、通知だけで退職が成立するケースは多くはないというのが実情です。
民間企業の退職代行には常に弁護士法違反となるリスクがありますが、その代表例が「モームリ事件」です。
2025年10月、弁護士監修をうたっていた大手退職代行「モームリ」の運営会社(株式会社アルバトロス)に対し、警視庁が弁護士法違反(非弁行為・非弁提携)の疑いで家宅捜索に入り、2026年2月3日には、同社代表者が弁護士法違反・組織犯罪処罰法違反 容疑で逮捕されるという事件が起こりました。
同社は退職代行業務の中で法律的な問題が生じた際に、特定の弁護士へ顧客を有償で紹介して紹介料を受け取っていた疑い(非弁提携)、また、実際には交渉権限のない民間企業でありながら、会社との実質的な退職交渉を行っていた疑い(非弁行為)が指摘されていますが、「弁護士監修」をうたっていても合法にはならないことを示す典型例といえるでしょう。
民間企業の退職代行のリスク
退職代行を行うには、本来「依頼者の代わりとなれること」「会社と交渉ができること」の2つが必要ですが、民間企業の退職代行はいずれも満たしていません。
私ども退職サポートを運営する労働組合「私のユニオン」には、日々退職代行を使ったトラブルについてのご相談をいただきますが、そのほとんどが民間企業の退職代行に関することです。
ご相談でいただくトラブルの内容をまとめてみると、主に以下の3点となります。
- 会社側に退職代行を拒否されて退職に失敗。依頼者本人が書面や直接会社とやりとりして退職することになった。
- 退職はできたが、給与を支払ってもらえなかった。
- 退職はできたが、有給休暇を消化できなかった。
民間企業の退職代行には法的な根拠がない為、会社がやりとりを断ると、退職が成立しなかったり、給与の支給や有給消化がなかったりするリスクについては、知っておく必要があります。
料金的にみて、民間企業と労働組合の退職代行の間には大きな差はありませんので、労働組合の退職代行を選ぶのが良いでしょう。
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関連するよくあるご質問
では最後に、退職代行を利用される方からよくいただく質問についてご紹介しましょう。
- 民間企業の退職代行は違法ですか?
- 民間企業の退職代行が「退職の意思を伝えるだけ」にとどまる場合は違法ではありません。しかし、有給消化・退職日の調整・未払い給与の請求など「交渉」を行うと弁護士法第72条に違反する非弁行為となり、違法になります。実際の退職業務ではほぼ必ず交渉が発生するため、民間企業の退職代行には本質的なリスクがあります。
- 「弁護士監修」と書いてある退職代行は合法ですか?
- 「弁護士監修」は弁護士がサービス内容を確認・監修しているという意味であり、その業者自身に交渉権限が生じるわけではありません。交渉を合法的に行えるのは「弁護士・弁護士法人」または「労働組合」のみです。弁護士監修と表記していても、運営主体が民間企業であれば交渉権限はないので注意しましょう。
- 退職代行「モームリ」の代表が逮捕されましたが、他の退職代行は使えますか?
- 今回の事件は「モームリ(株式会社アルバトロス)の運営方法」が問題とされたものであり、退職代行サービス全体が違法になったわけではありません。弁護士または正規の労働組合が運営する退職代行は、適法な範囲で業務を行っており、引き続き安心して利用できます。私ども退職サポートは労働組合「私のユニオン」が直接運営しており、非弁行為・非弁提携には該当しません。
- 就業規則に「退職代行禁止」と書いてある会社でも退職代行は使えますか?
- はい、使えます。就業規則は法律ではなく会社内部のルールに過ぎず、法律で定められる「退職の自由」は就業規則より優先されます。「退職代行を使った場合、退職を認めない」「損害賠償請求する」などの就業規則は、労働者の退職の自由を侵害するものとして法的効力を持ちません。
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| 名称 | 退職代行 退職サポート |
| 運営者 | 合同労働組合「私のユニオン」 |
| 所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-3-13 西新宿水間ビル6階 |
| 業務内容 | 退職に関連する労働問題の解決・サポート |
